O:BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館 江戸東京博物館 特別展「五百羅漢図」 〜驚異の仏画 全100幅の秘密に迫る!〜」

BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館 江戸東京博物館 特別展「五百羅漢図」 〜驚異の仏画 全100幅の秘密に迫る!〜」(2011/5/31)

昨日テレビを見ていましたら、「ぶらぶら美術・博物館」なる番組で、「江戸東京博物館 特別展「五百羅漢図 〜驚異の仏画 全100幅の秘密に迫る!〜」と題して、狩野一信筆「五百羅漢図」が紹介されていました。同展の監修は明治学院大学教授の山下裕二さんということで、山下さんの案内で全100幅の掛け軸に描かれている五百羅漢を見ようというもの。僕も全貌を見るのは初めてだったので興味深く拝見しました。

おぎやはぎさん、山田五郎さん、相沢沙世さんといったレギュラー陣があげる嬌声も、のんびり眺めるぶんにはたいして邪魔にはなりません。たまに自分とは違うところに注目されることもあったりして、見方の差異を楽しむことだってできます。

ただ、軽薄すぎるきらいはありましたね。特にひたすら一信の独創的な面ばかりを強調して、彼が伝統を踏襲している面については触れもしないあたりが。たいして詳しくない僕が見ても、光がほとばしるような表現だったり、細かいところですが、龍が吐いた息が蜃気楼となるような表現(正確には龍ではなく「蜃(シン)」という龍の一種だったはず)だって、一信よりずっと前からあることぐらいわかります。つまり独創ではなく、伝統を消化したということでしょう。でも番組上、あくまでも一信の独創ということにしたかったのでしょうね。いくらテレビ向けにしなければならないとはいえ、山下さん、学者としていいのでしょうかね?

追記6/7江戸東京博物館で実際に展覧会をご覧になった方から、会場の解説パネルには、一信が伝統を踏襲しているということについても書いてあったというご指摘をいただきました。となるとやはり、あくまでもテレビ向けということなのですね。揚げ足を取るようで野暮ですが、それでもあれでいいのかな?という思いは消えません。

画像は番組HPのスクリーンショットから